2019年6月20日(木)

▼「優先順位をつけて取り組む」と言われれば異論の出ない県議会が「量から質へ転換」と言われて反発したのは、眠れる獅子も目を覚ましたということか

▼首都圏営業拠点「三重テラス」の運営状況を審議した県議会戦略企画雇用経済常任委員会で、服部富男委員が「今さら」と苦言を呈したのだ。「量より質への転換」を県が打ち出したのは平成30年度の運営方針から。前年度に来館者数の目標値を前々年度実績値から14万人減の60万人に下げて、同8万減の66万人でも目標達成としたのだが、30年度は実績値5万人減の61万人を目標値にしたのに57万人で、ついに下回ってしまった

▼30年度の運営状況報告(4月発表)には、来館者数の目標値は消え、新たに設けた「三重の魅力体験者数」など4指標の目標値が「すべてにおいて達成しました」と胸を張る。「(来館者数に)こだわらない考えでは困る」と服部委員。いい加減にしてくれと言いたくなる話ではある

▼「来館者数」はもっともきつい目標ではある。やすきに流れるのが人の世の常で、税金を使うことしか考えない県職員では無理もない。新指標の一つ「三重ファン連携取組数」など〝ファンクラブ〟をつくるなどはその定番ではある。「有識者の意見」を隠れみのにするのもいつものパターンだが「常に新規顧客を確保し続けないと必ず客足は落ちる」は29年度の有識者の意見

▼「売り上げは増えている」と県は常任委で自画自賛したが、有識者は「売上至上主義となると商品構成そのものが変わってしまう」と警告している。