2019年2月2日(土)

▼県の各部局が要求した新年度予算が、歳入見込みを136億円上回る7222億円。「その差をどう埋めるかが課題。厳しい査定をしなければならない」と語った鈴木英敬知事だが、フタを開けると当初予算案は約7006億円。差を埋めた上に80億円絞り込んだ形

▼前年度を3年ぶりに上回るというから「極めて深刻」とされてきた財政の危機的状況を脱したということか。悪夢からようやく目覚めたようなホッとした気持ちにさせられる。3期目を目指す知事としても、久々に明るい視界が開かれた気になったのではないか

▼知事選を控え、「骨格的予算」になると言っていたのに前年度超え。言葉通りなら、まだ膨らむ可能性を残す。財源の内容が不明で、財政課は「予算の全容を公表する際に説明したい」。奥ゆかしいというか、全容公表まで隠すどんな意味があるのか分からないが、相も変わらぬ秘密主義

▼借金返済の積み立て先送りや企業庁からの借り入れに続く返済の繰り延べ。手段を選ばぬ対応でここ数年乗り切ってきた。今度もまた異例な手口で、知事選前ではちょっと言いにくいというなら、分からぬでもない

▼知事選前は新知事の政策予算分を残す「骨格予算」が「骨格的予算」と呼ぶようになったのはいつのころからだったか。特に現職引退時の「骨格的予算」は、新知事が「政策を反映できない」と嘆くのが恒例だが、今回は現職が3選に挑むのにもかかわらず規模が拡大した

▼「現職の当選を見越して」の観測が庁内にはあるというが、「骨格」を嫌うのは知事というより、職員である。