2019年2月1日(金)

▼三重銀行、第三銀行の合併計画が順調に進み、2年後の5月「三十三銀行」が誕生する。「質の高い地域ナンバーワンを目指す」という目標は三十三FGを発足させた昨年4月時点と変わらぬが、事業拡大と経営基盤強化を掲げた戦略の方は「いたずらに規模を追い求めず」(渡辺三憲・三重銀頭取)。経営基盤強化へ、より重点を置くかに見えるのは時世時節というものだろう

▼「合理化のため店舗網を減らす考えは毛頭ない」と積極姿勢を語った岩間弘・第三銀頭取も、今回は、合併までの重要課題にシステム統合をあげる。目は内部に向いているということだろう。両行が本店を置く四日市、松阪両市長も、コメントでまず経営基盤の強化、次いで地域経済への貢献を期待した

▼低金利や人口減少で地方金融機関の経営環境は厳しくなる一方だ。打ち出の小づちのような収益モデルを見いだせない以上、合併で体力強化を図ろうとする動きはさらに加速するに違いない。桑名、三重両信用金庫が2月合併予定だし、農林中金が昨年4月、預金金利の引き下げ方針を決めたことで、農協、漁協の合併機運も一気に押し上げた

▼特に金融の収益比率が高い県内農協に危機感は強い。予備調印した伊勢、鳥羽志摩、三重南紀の3JAに続き、中勢の松阪、三重中央、一志東部の3JAに、本店所在地にこだわってJA鈴鹿から袖にされたJA津安芸が参加し、研究会のピッチをあげる

▼利下げでJA鈴鹿以外軒並み赤字転落ではないか。そう言ったら、JA三重信連幹部が「段階的だからそうはなりません」と即座に否定した。