2019年1月31日(木)

▼公認会計士が務めてきた県の包括外部監査人に、本年度は弁護士を起用した。監査結果は「極端にひどい状況ではなかった」としつつも「(事務処理意識が)乱れている。いつも県民に見られているという意識をもってほしい」。「意識」に踏み込んだのは新鮮か

▼監査確定前の県との「意見調整会」を廃止するなど、これまでのしきたり、慣習を改めたのも交代効果か。監査のための部屋がなく、その都度空き部屋を探し日程調整し、また必要書類の希望を求められるがどんな書類があるのか知らされず、結果的に監査日程が大幅に短縮されるなど、外部監査に対する陰険な対応も、交代で明らかになったことだろう

▼「指摘」を「適法性に反する違法行為」と定義していたのが前回まで。今回は「法令等に違反していないものの効率性、経済性に著しく反している」と「意見」の定義に近づいたのは厳密な法解釈ということか。みえの出逢い支援事業では「打ち合わせ書類なし」が指摘された。10回以上実施し、発注費の中に含まれているにもかかわらず、やったかどうかの書類が残されていない

▼かつて食糧費に厳しい目が注がれた時、補助金などの事業費の中に当然、打ち合わせのための飲食費が含まれているという解釈が編み出された。より便利なカラ出張など裏金づくりへ、あっという間だった

▼「1人2万円の会食ってどんなのか」などが当時の論議。「きちんと食糧費で計上すべきだ」が当時の反省である。「打ち合わせ」がどんなものだったか。「乱れ」というより、書類を残しづらかったのかも知れない。