2018年11月30日(金)

▼減税してギャンブルで吸い上げるのかと、名古屋市の河村たかし市長が統合型リゾート施設を誘致すると聞いておかしかったが、候補地として桑名市の名前が出たのには驚いた。県に連絡済みといい、水面下で話は進んでいたかと思ったが、県、桑名市の担当者が寝耳に水の様子なのに二度びっくりした。断りもなく他市名を出したとすれば、失礼このうえない

▼もっとも、鈴木英敬知事は、驚きつつも、10月に河村市長から電話で告げられていたというから、担当者の話とかみ合わない。「積極的に取り組む考えはない」「(ギャンブル施設に)心配や不安を持つ方もいる」など、反対姿勢は明確だが、同じ唐突な話でも、長良川河口堰開門調査に比べ、心なしか柔軟な気もする

▼田川亮三氏が3選した後の議会代表質問で、自民党は「当選とともに重要施策が次々消えていく寂しさを感じる」と切り出した。選挙が終わるまでマイナス材料を先送りしてきたのではないかという意味だ。選挙前の政治家の言説は額面通りに受け取れない

▼昭和の大合併で旧木曽岬村に越県合併問題が起きたが、静観するという知事同士の約束にも関わらず、愛知県議会は受け入れ決議を強行した。木曽岬干拓地の県境問題では、鍋島干拓との経緯を無視して3分の1をもぎとった。中部空港候補地問題では、愛知県知事は県議個々に直接電話で根回しし、田川知事から「少し黙っとれ」と反発された

▼傍若無人な仕打ちは何度か受けている。鈴木知事のように「情報共有は進める」などの大人の対応は、分かっちゃいるけどできゃしない、のである。