2018年10月20日(土)

▼道路族でならした天野光晴元建設相にインタビューして「道路三羽がらすと言われているそうで」と言ったら「何? カラス?」と目をむいた。「道路」うんぬんより「カラス」の方が気に障ったらしい。恐縮に堪えない

▼市長選で落選した前三県議が来春の県議選へそろって出馬表明した。こちらは「落選三人組」「落選トリオ」かと口元が思わずほころんだのは失礼だったが、気に障ったとしたら「落選」の方で、古傷をえぐられる気がしたかも知れない。恐縮に堪えない

▼「三人組」「トリオ」に共通する「三」は、日本人の好きな数字である。個人的には長嶋茂雄元巨人軍監督の現役時代の背番号「3」以来だが、先の三羽がらすはじめ、歴代天皇が継承する宝物は「三種の神器」、書道の大御所は三跡で名人は三筆、津観音は日本三観音の一つ。三庭園あり三大祭りあり。ことわざも「三度目の正直」「石の上にも三年」「早起きは三文の得」。生活の隅々に息づいている

▼三人寄れば文殊の知恵ともいう。前県議の三人も、三という数字の言霊で験直しという狙いがあったのかもしれない。再出馬の動機について、三人はそれぞれの言葉で「地域の課題の解決」を熱く語った。その目的は、首長も議員も変わりあるまい

▼議員は課題を議会で一つにまとめ上げて執行部と対等になる。一気に首長となり、思う存分政策を実現させたいと願う議員が多いことは県内の首長を見ても分かる

▼野呂昭彦、鈴木英敬前現知事も落選転身組。志破れ県議として再出発し、機を見て再挑戦しても、特に非難されることではない。