2018年10月5日(金)

▼出身校で参院選出馬発言した問題は、当の芳野正英県議が県議会代表者会議で陳謝したことで落着したようだ。政治倫理審査会設置など、参院選の前哨戦勃発かとも思わせたが、問題にした自民、公明側が陳謝を評価し「誰にでもあり得る行為。われわれも十分に注意すべき」。良識ある行動を取った

▼対決含みから急転直下した経緯は知らないが、県議は出馬表明に敏感ではある。日ごろ県議会活動にほとんどスペースを割かない報道機関も、出馬表明となれば報じるからだ。県政を語り抱負を語り、顔写真が載ったりする。現職は名前が末尾に載るだけ。付け足し扱いだ

▼知事らのように議場で再選、三選出馬表明できるわけでもない。この報道格差はなんとかならないかと、県庁の記者クラブが昔、要請されたことがある。答えようがなかった気がするが、党や支援団体が公認、推薦候補を発表する時はできるだけ名前を掲載しましょうと言った記憶がある

▼古くは県議の出馬表明は掲載したりしなかったりだった。各選挙区の市役所の記者クラブで扱い、クラブの事情で違ったし、連絡せずに出馬する候補者も少なくなかった。昭和62年県議選を前に、平岡澄男氏が一人で県庁のクラブを訪れ、一志郡選挙区(当時)の出馬表明をしたいと言った時は、幹事が戸惑った

▼市役所を勧めたが、ここでしたいという。各社に連絡して会見を設定。各社とも報じたが、結果的に出馬準備していた別の新人の出鼻をくじいた。県庁での会見は定着したが、推薦候補者名掲載は浸透しなかった。不満は募っているに違いない。