2018年8月11日(土)

▼三重県の松阪市議会が初の百条委員会の設置を決めた。地方自治法100条に基づき設置できる調査特別委員会で、対象は政治調査や議案調査、事務調査など市政全般にわたる。理由なく証言を拒否したり偽証した場合は告発できる強い調査権を持ち、市幹部などが絡む疑惑や不正事件で設ける例が多く、議会の政治事情で設置することも少なくないと言われる

▼松阪市議会の百条委は自治会集会所の改築で過大な補助金が交付された問題が対象。971万円という工事費の申告で480万円補助したが、実際の工事代は845万円。市は利息を含め85万円の返還を請求したが、自治会は過大分だけ返還し、利息は百条委の推移を見て検討するという

▼金額で言えば利息の問題。「疑惑」「不正事件」と呼ぶにはいささか拍子抜けするが、設置は全会一致だから議会の政治事情のようでもない。当然ながら目的は「真相解明のため」。単純ミス、怠慢ではないということだろう。真相とは何かがミステリー的ではある

▼事件そのものは平成23年の発生。百条委設置を議会に請願した住民によると、当時担当課に調査を依頼しても「かたくな拒否」された。住民監査請求は今年3月。いかに却下するのが手腕ともやゆされる監査委員が、7年間の空白をものともせず1カ月後の4月、市に是正勧告した。6月の百条委設置請願に九人の議員が紹介議員になっている

▼自治会の事務能力、建設業者のコンプライアンス意識の欠如などを問題としている。「かたくな拒否」は関係するのかどうか。なるほど百条委の出番である。