2018年7月24日(火)

▼「去年より暑さの質が違う」と全国高校野球選手権三重大会を運営する県高野連の関係者が嘆いたそうである(本紙『まる三重リポート』)。熱中症で搬送された人が大会3日目の15日までで15人。2人が死亡した16日は、県営松阪球場で尾鷲高校の選手も熱中症の症状に

▼大会本部が4球場すべてのベンチに業務用扇風機各2台の設置などを決めたのが19日。21日以降は、スタンドに応援団用の日よけテント、外野席に限って一般来場者のテント持ち込みなども認めた。裏方の苦労がしのばれる

▼インターハイの開幕目前に、県も想定外の難敵を迎え撃つことになったのではないか。梅雨明け(9日)からの高温継続を警戒して選手だけでなく、屋内施設の開放、日よけ用のテント増など、一般観客の休憩スペース確保を各自治体に呼びかけていたというが、鈴木英敬知事が県民向けに熱中症予防を呼びかけたのは、死者6人を数えた20日。県のホームページの扉の『緊急・重要情報』欄にもようやく熱中症が加わったが、ややちぐはぐ感はある

▼内容的にも、それまでの一般対策に20日現在のデータを加えただけ。23日現在、21、22日のデータが入っていないのは土、日曜だったから、ということか。当日を含む「最新情報はこちら」として環境省のサイトへの転送を促しているのも『緊急・重要情報』欄の別の情報に比べ、粗っぽい

▼救急搬送件数が衰えを見せない中で効果に首をかしげるが、質の違う猛威に、どうすれば県民個々に警鐘を鳴らせるか、県も首をひねっているのかもしれない。