2018年3月20日(火)

▼「女性活躍」は今始まったことではない。昭和50年が国連が採択した国際婦人年で、同年に第1回世界女性会議が始まったが、同60年の第4回北京会議以降は間隔が間遠くなった。「女性が輝く社会」を重要課題とする安倍政権が「国際女性会議WAW!」を平成26年から開いている

▼変転著しき「女性の輝き」で、県もそのつど力を強めたり弱まったり。女性の新しい生き方をテーマにフォーラムを開いたのは北京会議のころだったか。講師が女性突撃リポーターの第1号として名をなした評論家で、当時は離婚していたが、結婚相手は臨月の妻と別れての再婚だった。「略奪婚の勧めかね」と担当部長に言ったら苦い顔になり「ほかで言わんでくれ」

▼新聞業界の会議で、講師が当日変更になり驚いたことがある。数日後発売の週刊誌で女性問題が取り上げられることが原因という。演題は世にはびこる風潮の分析で、期待しての参加者は多かった。海千山千の記者が女性問題で動揺するものかと思ったが、主催者も気おくれしたに違いない

▼文部科学省前事務次官の前川喜平氏を講師に招いた名古屋市立中学校に同省から授業の趣旨について繰り返し問い合わせてきたという。授業への異常な介入には違いない。持論の夜間中学への思いも共感するし、教育行政への歯に衣着せぬ指摘は説得力があり、痛快である

▼しかし、禁止の天下りを組織的に主導し処分を受けたことを「切り離して」講演させて、中学生がどう受け止めるかに不安はなかったか。文科省は別にしても違和感を持つ向きは少なくはあるまい。