2018年2月13日(火)

▼国体スピードスケートで、県勢が入賞したのは18年前の第53回以来という(本紙『まる見えリポート―』三重国体優勝目指す県)。県のスポーツ振興策を物語っているようでおもしろい

▼当時得点したのは、35歳以上の年齢別種目でのベテラン勢というから、昭和50年の三重国体から25年。天皇杯獲得のための急ごしらえのスポーツ力が底をついて途切れ、冬の時代が続いたということだろう。天皇杯最下位になった歩みと重なる

▼2種目入賞を果たした森本拓也選手は北海道出身。選手も送り出せない現状を打開するため、4年前から県が始めた県体育協会へのスポーツ指導員配置事業のウインタースポーツ第一号として昨春採用された。トレーニングに励めるよう、県はさまざまな後押しをしている

▼「三重でスケートを始めようと思っているジュニア選手にも良いきっかけを与えることができれば」と森本選手は競技人口拡大に意欲を見せる。スキー部門で第2号指導員採用を今春もくろむ県の強化担当者は「目標は天皇杯獲得。冬季国体からしっかり得点したい」。有望選手をを県職員、教職員に大量採用した43年前と、気分は同じらしい

▼海外遠征で日本代表クラスの国体出場が限定的な冬季競技で県外出身選手を受け入れる。企業に有望選手の県からの出場を働きかける。県の重点施策は「スポーツイヤー」だが、スポーツマンシップとかフェアプレー精神とは、次元が違いますよということでもあろう

▼歴史は二度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として(カール・マルクス)。