2018年2月12日(月)

▼午前8時半、津市渋見町の交差点の赤信号を、前を走っていたバンがノンストップで通過していった。午後3時過ぎ、同市桜橋の23号から一本、津年金事務所側に入った通りの信号のない交差点を、通り過ぎかけた乗用車が思い直したように大まがりして左折。赤信号に変わっていた約50メートル先の23号交差点へ、アクセル音を響かせて突っ込んでいった

▼目を疑う運転ぶりを一日2件も見たのはたまたまか。前日に津南署の交通事故防止啓発キャンペーンの記事がよみがえった。氷山の一角なのではないか、と

▼県全体の交通死亡事故は、昨年久々に前年比減で、今年1月は昨年をさらに下回っていたのに、今月は8日現在で追い抜いてしまった。3人増の14人。津南署管内は1件増の2件で、事故総数も67件増の370件。県全体の件数は前年比減だから、突出と言っても言い過ぎではない

▼背景にマナー違反があるのではないかと思うのである。右折の矢印信号に替わってから左折する車が2台、3台と続くことはありふれた風景で、夜中は直進していく車が珍しくない。信号が替わった途端、ブレーキに足がかかるのが大方のドライバーの習性だが、その習性が失われているとしたら、いつ事故を起こしても不思議でなくなる

▼東京や大阪など、車の過密社会ではこうした違反はほとんど見られない。たちまち事故に直結してしまうからだ。津市などは、状況次第で違反しても、ヒヤリより得をした気になることが多い地域なのだろう。津南署管内になると、違反の方が習性になる危険が増す地域かもしれない。