2018年2月2日(金)

▼スマートフォンを含む「ケータイ」を所有している小学生がついに5割を超えた。3年前の前回調査から10ポ強の増加を早いと見るか、まだその程度だったかと見るか。中学生が12ポ増の73.2%。高止まりしている高校生の99.2%への到達もそう遠い日ではない

▼1日2時間以上という長時間使用も、小学生の24.9%から高校生の74.1%まで、それぞれ順当に伸びている。鈴木英敬知事が提唱する学力向上県民運動の対象である全国学力・学習状況調査で、県がもう一つ伸びない理由に「ケータイ」の長時間使用が上げられている。短縮は県民運動の課題だろうが、あまり気合が入っていないようなのは、大政翼賛会への気遣いなしと喜ぶべきか

▼小中学生の所持率は今後も上昇すると考えられる」と県教委。高校生並が目前に迫ってきたというのに、対策としてはインターネットの危険性を示す資料を年度内にも各学校に配布し、保護者向けの「ネット啓発講座」を引き続き実施すること。教職員の不祥事のたびに「重く受け止め、県立校長会議等あらゆる機会を捉え、服務規律の確保を徹底し、一層の資質向上に努める」と言うのを連想しないか

▼「ケータイ依存症」という言葉も生まれている。電車の中だけでなく、中高生の歩きながらスマホは日常風景だ。「フィルタリングの重要性を訴えたい」(県子ども・家庭局)などの条例順守の対策を否定はしないが、所在確認のGPS機能を含めて、急速に市民生活へ浸透する「ケータイ」の現実に、条例も県教委も、ますます置き去りにされていくようではある。