2018年1月24日(水)

▼教職員の起こす事件は、このところルールの抜け穴を使った越境入学のお膳立ての影に隠れた格好だったが、もっぱらわいせつ関連という先入観があったのは、子どもを預ける側の恐怖があったとはいえ、軽率だった。県教委が交通事故を起こしたとして教諭2人の処分を発表した当日に、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで高校教諭が現行犯逮捕されたことが報じられる

▼「重く受け止めている」と廣田恵子教育長。負のスパイラルに陥った心地ではないか。昨年4月の就任以降、最も印象的だったのは、鈴鹿市中二暴行死事件を受けた「命を大切にする教育」の呼びかけと、いじめ防止条例案策定という。教員の不祥事はあまり気にならないのかどうかは知らないが、教育問題を語る姿は見かけなかった

▼教職員の事故報告件数は、前年度とほぼ同じペースで昨年12月現在、122件という。うち懲戒処分は今回を含めて3件で前年度比2件増。刑事事件として扱われたのはごく一部に過ぎないということだろうが、「教職員は絶対に事故を起こしてはいけない」という廣田起教育長の言葉は3件だけを指したのではあるまい。交通安全意識の高揚を校長、市教委に周知するという判で押したような事後対策ばかりで「抜本的な対策は難しい」(県教委)。言葉に具体性のないまま、時の流れに委ねられる

▼横領の元小学校長に昨年9月、退職金返納命令を出したが、結果についての報告は聞かない。命令を出したことで、県教委としての処分は終わったので事件はもう忘れたというわけでもあるまいが。