2018年1月23日(火)

▼「変更は不可能なのでご理解いただけるよう努力したい」と国交省紀南河川国道事務所の担当者。「きちんとした段階を踏まえて現在のルートに決めた」とも。いんぎん無礼と問答無用は相変わらずでも、手際は洗練されてきたようだ

▼紀宝町と和歌山県新宮市を結ぶ自動車専用道路「新宮紀宝道路」のルート変更を求める同町鵜殿地区住民への回答である。かつては「道路は大多数に役立つ最優先の公共財。建設に一番都合がいいから決めたルートに反対するなど非国民」みたいな鼻息だったが、今は「きちんとした段階を踏まえて」なんて、下手に出ることも覚えたと見える

▼事業化後に町内で8回、住民説明会を開いているが、開くこと自体に建設前手続きとしての意味があり、そこでの住民の意見が「反映されない」のは変わらぬようだが、住民アンケートを実施して「八割が妥当とした」結果が「きちんとした段階」の証しにしているのが手品のタネということか

▼三重、和歌山両県の2万2千世帯余、423企業、32団体を対象にしたアンケートだから、地元鵜殿地区の会員はわずか16人の「路線変更を求める会」がかなうはずがない。少数の当事者らを押さえ込む手法は何も変わっていないのである。合併前ならまた違った結果になっていたかもしれない

▼近畿自動車道紀勢線で、尾鷲市の女性団体が「生活道路が欲しいが、それが難しいので高速道路要望に加わっている」と語っていた。首長らが業績として道路整備を重視するのは分かるが住民の願い、統計のウソというものを考えてみたくなる。