2018年1月12日(金)

▼議長が議会改革のリーダーシップを発揮するというのではなく、サポート役に回る―。何となく寂寥感漂う気がしたのは、申し合わせ二年にもかかわらず、自ら「一年とさせていただく」と明言した任期が四カ月後に迫っているからか

▼年頭会見というのに、県議会の舟橋裕幸議長は、議会改革の新たな一手を問われて「新たな提案をするのは難しい」と、心なしか意気まことに上がらない。続く「種はまいたつもり」が何を指すかは分からぬが、「議会改革のメニューとして提案した」政務活動費の後払い方式は「全体のコンセンサスに至らず残念」の結果に終わった。いわば〝枯れてしまった種〟が成長する年月を数えているわけでもあるまい

▼「つもり」というのはなかなかあいまいな意思表示ではある。そういう意図、あるいは見込みを立てているとも受け取れるし、そうではないが、そうなっているような気持ちになっている場合にも使われる。後者は思い込み、独りよがりに近い。舟橋議長がまいた種の行方はどうか

▼それはそれとして、議会改革は、高い理想を掲げて高度な熟議をかわしてもらいたい。属人的事情などで最低限の成果をめざすなどと誤解される提案は、議会の権威をおとしめ、県民が離反する要因になりかねない

▼任期が四年であれ一年であれ、議長は前任者からバトン受け次につなぐ一走者である。自らの任期と、議会のリーダーとしての役割を混同してはなるまい。年頭に当たり、議会の課題を踏まえ、あるべき姿を展望して、議会改革の先進県にふさわしい〝次の一手〟を聞きたかった。