2017年11月10日(金)

▼学校群制度を見直す検討会を県教委が設置した時、「群制度廃止へ」と書いて当時の教育長に大目玉を食らった。「これから検討するために有識者を招いたのに一度も開かぬ前に結論を書かれたら、彼らの立場がないじゃないか」

▼越境入学問題で、廣田恵子教育長は「検討会がまとまった方向でやっていかなければならない」。さすが心得ている。案を示した後に野球を加えたのは上手の手から水が漏れたか。「国民的スポーツで、社会的認知度も高い。小さい頃から野球をしている子どもも、報道も多い」。言語明瞭、意味不明だが、いや、なかなかの答弁上手かも

▼プロ野球から選手への裏金に高校の野球部長が関与していて私学の特待生制度が問題になったのは平成19年。高野連は同制度を禁止していたが、私学への干渉などの報道が多く、条件付きで認める方向になった。無理が通れば道理が引っ込むのは何も県教委ばかりではない。行政のプロの廣田教育長にしてみれば前例踏襲だろう

▼県立高校野球部に「スポーツ特別枠」がないことに騒動が影響しているかは知らないが、県内ではそれ以前に、甲子園に旋風を巻き起こした県立高校の野球部監督が、県警の取り調べを受けて自殺している。実業団や大学に選手をあっせんして金銭を受けていたとの情報での捜査の着手だった

▼家族も知らぬ高額の預金通帳が出てきた、全国に広くみられるなどが話題になり、県を衝撃が襲ったが、真相は闇の中へ。廣田教育長は当時一吏員。名実ともに風化させる好機とみたのかも知れないが、生徒の傷はいまも癒えまい。