2017年11月9日(木)

▼教員の長時間労働を是正するための県教委の「部活動ガイドライン策定委員会」で、土日の1日以上は休養日をという提案に「土日に遠征試合や大会が入っている」と反対論。では、長時間労働をどこで減らすのか

▼現状が問題だから是正の委員会を開いているのに「現状に合わない」と反対する。まるでマンガだが、「柔軟に運用できる文言にすべき」とはどういう意味か。ルール違反の越境入学が多発してルールの方を違反に合わせる作業が進む。今度はもっとスマートにすり抜けられる穴をつくれと言っているように聞こえなくもない

▼土日の対外試合と言えば、保護者が順番制で毎週、送迎運転にかり出された昔を思い出す。娘が友人に誘われ中学2年で入部した剣道部が強豪で追いつけなかったらしい。男子などから厳しい非難や叱責を受け、親の観戦を極度に嫌うようになり、リストカットを始め、自殺騒ぎを起こした。運動部経験豊富な親として何も気づかなかったのは不明の至りだったが、閑話休題

▼高校山岳部員ら8人が死亡した栃木県の雪崩事故で、亡くなった顧問は素人の新任教師だった。長時間労働是正の話に部活動顧問の義務化問題が出ないのは、安全面からも不思議だが、建前が義務ではないからということか。県競技力向上対策課がオブザーバー参加しているのも、委員会の性格、方向づけへ、色眼鏡を忘れずに、と言っているようではある

▼長時間部活動が学力低下となる可能性を全国学力テストは指摘したが、「進路決定に絡んでいるのも事実」という〝現状〟に、背に腹は代えられぬか。