2017年7月2日(日)

▼大阪府が森友学園の籠池泰典前理事長を約6186万円の補助金不正受給で告訴したのに続き大阪市も3900万円の補助金不正受給などで同学園運営の幼稚園と保育所を告訴する方針という。自治体が学校を告訴するのは珍しいと言われるが、伊賀市も、閉校したウィッツ青山学園高校の運営会社ウィッツに履修回復措置のための立て替え金約669万5千円の支払いを求め提訴した

▼安倍首相夫妻との〝蜜月〟が続き、〝けんか騒ぎ〟にならなければ、森友学園がこれほど過酷な仕打ちを行政から受けたかどうか。お役人は強きにこび、弱きをくじくのが基本的体質であることを籠池前理事長は知らなかったのかもしれない

▼伊賀市のウィッツ提訴はどうか。就学支援金不正受給容疑での東京地検特捜部の捜査で、態度を一変させたことは間違いない。教育特区について、文部科学省は地方公共団体の自発性を促進する制度として「学習指導要領によらない多様なカリキュラム編成」「株式会社による学校設置の容認」「地方公共団体と民間との連携」などを特例措置としている。監督責任は伊賀市が最も重い

▼不正受給が営利追求か経営難回避の苦肉の策かは分からぬが、全国のサテライト方式は、適正な指導があれば、これまでの公私教育にはない画期的カリキュラム実現の可能性はあった。中途退学者の教育機関としての魅力も、これまでの公私教育の比ではない

▼力及ばずつぶしてしまったという点では、市とウィッツは〝同罪〟。その責任の比率を決める立て替え請求提訴というなら分からなくはない。