2017年6月23日(金)

▼県立高校越境入学問題で組織運営に問題があったと説明する県教委に対し、県議会常任委員会では「県外からの入学を認める方向で話を進めても良いのではないか」と規則の変更を検討するよう求める声が相次いだという

▼発覚後、県教委が各校に改善を求めたのは「県内の学生の教育機会が失われる」という趣旨。県民のための高等教育機関が県立高校の前提だが、県民の要望を県政に反映させることを存在意義の一つとする県議が、まるで県外入学者の代弁をするかのような主張一色になるのが意外だった

▼県教委によると、県外中学校出身者が県立高校に入学するのは毎年百数人程度。越境入学調査では、うち116人が規則に違反していた。単純計算で200人程度が正規に越境入学していることになるが、正直者がばかを見る結果になってはなるまい

▼違反者のうち百人強の保護者が、教員から就職先を紹介されていたのに、就職せぬまま越境入学条件をクリアしていた。就職先、教員、越境入学者のネットワークの存在疑惑が浮上したが、県教委は調査する意思はないと表明した

▼県議会も解明に関心がないようだ。「県外入学者で学校規模を維持できる」というのは、入学者選抜制度検証会での容認論だが、違反者の大半は「部活動」目的という現実の前に、具体策はイメージしにくい

▼優れた指導者の指導を受けたいと願うのは当然で切磋琢磨(せっさたくま)で全体が向上するのは確かだが、県内中学生の向上心に応えるのが県立高校の使命でもある。その両立と過去の清算と、議会には監督として卓越した采配を期待したい。