2017年6月24日(土)

▼「病院事業、3年連続の黒字」と新聞が大見出しで報じるほど、中身は伴っていないということだろう。一般会計から21億2800万円繰り入れての1億1200万円の黒字。前年度比4千万円増の繰入金に対し収益も4千万円増。偶然というにはできすぎで「増やす必要はなかったのでは」という県議会常任委の指摘に県は「法令に基づいて必要な金額を算出している」

▼木で鼻をくくったような答弁とはこのことか。財政難などどこ吹く風。理屈さえ立つなら必要かどうかは二の次で、いくらでもつぎ込むことができると言っているように聞こえる

▼14日の本会議一般質問。鈴木英敬知事の公約でもある子どもの医療費窓口無料化の早期実現を求めたのに対し、松田克彦医療対策局長は「県の財政は極めて深刻にあり」と拒絶した。「全市町が一斉に導入する制度でなければならない」とも言ったが、昨年3月議会で前任者の佐々木孝治局長は「全市町が県の対象範囲を超えたからといって直ちに追随するものではない」

▼厳しい財政状況、全国的に医療サービス低位県ではない、給付と負担のバランスと言い続けた佐々木前局長が出向元の厚生労働省に帰還したのは昨年6月。生え抜きとして異例の後がまとなったのが松田局長だが、「生え抜きと国からの出向組とでは答弁も違ってくるのかねえ」と聞いたことがある。「そりゃあ違ってくる。県民本位が強くならなきゃ、自分が就いた意味がない」

▼今のところ前局長のオウム返しのよう。ある時は財源難、ある時は「法令通り」と区分けでもできているのか。