▼園児に給食の完食を強要した桑名市の「長寿認定こども園」に県と市が改善勧告を出したが、4日後に市の第三者委員会がまた改善勧告を出した。何だか県と市がバラバラに動いているようで、1回にまとめることはできなかったのかという気がしたが、目的が異なるようだ。こども園にも勧告書を渡したので紛らわしいが、主たる目的は市に対する勧告らしい
▼市の初動対応に問題があったとして、マニュアルの整備などを求めている。背景には、私立保育園の許認可権者が県のため、市が主体的に取り組むという認識が乏しかった状況があるとしている
▼発覚は、保護者代表が市に相談した3月14日。園に内部調査を求め、数年前から問題保育が続いていたことが分かり、県に報告したのが5月22日。6月8日に県と市で特別監査に入った。この3カ月という期間が「初動対応の問題」ということになるのだろう
▼県の所管だからという理由での市の主体性の乏しさは、先の津市の4歳女児暴行死事件でも、11年前の四日市市の虐待死事件、鈴鹿市の重篤虐待事件でも指摘された。その都度、県と市が同等の当事者意識を持って連携することが求められたが、事態はむしろ逆への広がりを見せていることを第三者委の指摘は物語っている
▼勧告を受け、伊藤徳宇市長は「初動が遅れたという指摘もあり、二度と起きないよう対応したい」。4歳女児暴行死事件では、津市の前葉泰幸市長が「権限は県」と強調した上で「市としてもっとできたことがあったのではないか」
▼まず市長教育から始めなければならない。