2018年1月19日(金)

▼雨降って地固まる、ということか。公募、非公募を繰り返し、議会も揺れ動いたスポーツ施設などの指定管理者への委託をやめ、鈴鹿市は直営にする方針

▼指定管理者制度は多くの問題点が指摘されている。経費削減効果が期待されるあまり、職員の賃金が低く押さえ込まれ、身分も安定しないなどで伊賀市などは運営継続が困難になった。また、自治体幹部職員の天下り先となっている団体への継続委託や、指定管理料以外の委託事業があり、自治体の支出総額か極めて分かりにくくなっている

▼委託先が体育協会の鈴鹿市もそれら境界があいまいな上、NPO法人であるため「指導する立場にない」として、市民らの疑問に応えようとしなかった。体協への非公募委託が18施設になった結果、原則公募と条例に定めた対象施設の三割強が非公募になった。「市の指定管理がどうあるべきか根本的に考える時期」という末松則子市長の方針は、遅すぎの感もある

▼「気持ちは分かります。だから、指定管理者に応募しないのです」。鈴鹿市体協が加盟競技団体へ競合相手への協力拒否を要請するなど、なりふり構わず議会否決へ動いたことに、津市スポーツ協会は、そう語った。巨額の指定管理料を受けてふくれあがった組織は次の指定管理が受託できなかった場合、立ちゆかなくなると判断したという

▼鈴鹿市体協が非公募受託で真っ先に手がけたのが市OB幹部の給与引き上げだったといわれる。直営に伴い、市は「体協職員の雇用維持に努める」。その言葉で治まるはずもあるまい。思えば、罪作りな五年間だった。