届け、伝統「木遣り唄」 伊勢の合唱団・ソルシエール、エストニアで8月披露 三重

【エストニアでの音楽祭に向け練習する合唱団員ら=伊勢市の五十鈴中学校で】

【伊勢】三重県伊勢市の合唱団「ソルシエール」と「ソルシエール・ジュニア」が、8月に北欧エストニアで開催される音楽祭に出演する。伊勢で歌い継がれる「木遣り唄」を題材にした合唱曲を携え、美しいハーモニーで伊勢の伝統文化を発信しようと、練習に励んでいる。

合唱団は、全国大会出場経験もある市内の五十鈴中学合唱部OBを中心に平成26年に結成。元音楽教諭で主宰者の河俣和子さん(70)が指導し、ジュニアの中学生から30歳まで25人が所属する。8月に同国で開かれる「国際青少年音楽祭」に参加し、団員が現地で1週間ほど滞在しながら、音楽を通じて交流する。

披露する楽曲の一つは、木遣り唄を題材にした女声合唱曲「清き流れの 五十鈴の川を」。作曲家の土田豊貴さん(43)=埼玉県=が昨年、河俣さんの依頼を受け、伊勢神宮式年遷宮に向けた「お木曳行事」で唄われる木遣り唄をもとに作曲し、歌詞は「エンヤ」「ヤットコセー ヨイヤナ」など掛け声がいかされている。音楽祭では、この楽曲を現地の青少年合唱団と一緒に歌う。

五十鈴中でこのほど、土田さんが団員らに指導。またエストニアの合唱団の指揮者も来日し、現地の楽曲を指導した。

【土田さん(右から2人目)らからアドバイスを受ける合唱団員ら=伊勢市の五十鈴中学校で】

合唱団メンバーで明野高2年の門田和子さんは「伊勢の伝統文化を知ってもらえる機会。心を込めて歌いたい。合唱へ込めた思いを現地の人に届けたい」と話していた。

16日は伊勢商工会議所で、同合唱団のコンサートが開かれる。午後2時半開演。入場料1000円(中学生以下無料)。