【南牟婁郡】雄大な熊野灘を目の前に、亡きあの人、未来の自分に思いを伝えて―。御浜町山地の丘に3日、電話線のつながっていない電話ボックス「やまじ こころの電話」が設置され、除幕式が開かれた。関係者らは、悲しみを癒やす「グリーフケア」の場になることを期待している。
こころの電話は、熊野市出身の元県議、森本繁史さん(故人)が発案し、和歌山県新宮市のNPO法人・環境ファースト連合会の椋野玲史会長らと相談し設置。東日本大震災の被災地・岩手県大槌町の高台にある「風の電話」から着想を得たもので、3月上旬から半年間かけて完成させた。
高さ約2メートルの電話ボックス内には、ダイヤル式の青い公衆電話(昭和47年製、未使用)が設置され、亡き友人や家族、未来の自分らに思いを伝えることができる。ボックスは、住口鉄工所(新宮市)が七里御浜をイメージし、白い格子に囲まれたガラスの外壁に青い屋根を取り付けた。
除幕式には、熊野市と御浜、紀宝両町の首長や連合会関係者ら約30人が出席。椋野会長と御浜町の東地正登町長が除幕した。熊野市の河上敢二市長は、来賓あいさつで「多くの人が悩みや悲しみから解き放され、心の明るさを取り戻す『救いの電話』として機能してほしい」と期待した。
