2025年2月16日(日)

▼案の定、と言ったら叱られるか。洗濯機など計約20万円相当の物品を受け取ったとして職員2人が逮捕された津市の水道工事汚職事件で、新たに百数十点の物品を受け取っていた疑いが浮上してきた。2人は常習的に業者から物品の提供を受けていたと県警は見ているらしい

▼津ボートレースのテレビ広告をめぐる収賄事件を思い出す。逮捕容疑だけではなく、視察の交通費や宿泊代などを業者に依存していた疑いが出ていた。職員と業者の癒着構造は昨日今日、培われたものではあるまい。前葉泰幸市長は知ってか知らずか「コンプライアンス(法令順守)の徹底が不十分だった」

▼特定自治会長問題以来、繰り返してきた反省と陳謝を口にした。「まだまだ不十分だった」という。「組織の緩み、隙がないかあらためて検証する」とも。どんなに堅固な組織も生かすか殺すかは人である。人への配慮がどうだったかは、大量処分者を出した特定自治会長問題で懸念されていた。「自分らばかりがなぜ」という職員の不満が指摘されていた

▼巨悪はほかにあるではないかというのである。信賞必罰が機能していなかったのではないか。県で収賄事件が連続した時、担当課の廃止と2年を原則に職員の異動を徹底した。コンプライアンス研修で消し止めたわけではない。小学生でも分かる内容を繰り返した

▼今回の事件で、前葉市長は同一業務に長期間従事することの弊害に言及。担当課の廃止と、人事も含め同局を再構築する考えを示した。後手気味だが、上清めば下濁らずでもある。