日本での進学・就職学ぶ ブラジル人高校生、鈴鹿でセミナー 三重

【ハラさん(右)の話を聞く生徒ら=鈴鹿市道伯5丁目のブラジル人学校EAS鈴鹿校で】

【鈴鹿】在日外国人を支援している三重県四日市市河原田町のNPO法人愛伝舎(坂本久海子理事長)は24日、鈴鹿市道伯5丁目のブラジル人学校「EAS鈴鹿校」で、高校生を対象にしたキャリア教育セミナーを開き、1―3年の51人が進学や就職について話を聞いた。

ブラジル人の生徒らに日本の社会で進学や就職できるための知識を持ってもらいたいと、高校卒業後の進路選択を一緒に考える機会として開催。三井物産が全国で実施している、外国人の就職・就学を支援するブラジル人学校奨学金プログラムの一環で、今年で6回目。

セミナーでは、正規雇用と非正規雇用による生涯賃金や社会保障の違いのほか、進学に必要な費用、奨学金制度、入学試験の種類などをNPO関係者が説明。

その後、ブラジル出身で日本で学び、就職して現在は育休取得しながら衣料品製造卸販売会社に正社員として在籍するハラ・カシアさん(33)=四日市市在住=が「今までの進路で決断してきたこと」をテーマに講演した。

ハラさんは日本語を勉強する大切さを強調。アルバイトを通して、社会で通用する日本語を習得すると共に学費を稼ぎ、時間を守るなど日本の文化や社会のルールも学んだと紹介。就職・進学など「目標を立てて実行することに意味がある。諦めずに自分の可能性を強く信じて」と生徒らに呼びかけた。

生徒らは熱心に話を聞き、質疑応答では「進学して良かったか」「どんな仕事をしているのか」など積極的に質問していた。

坂本理事長は「保護者も非正規雇用が多く、進学して学ぶことの意義や正規雇用との違いが分かっていないことも多い。生徒たちが安定した仕事に就き、日本で活躍する場所が増えれば」と話した。