「100万ドルの鐘」展示へ 大阪・関西万博で三重県、御木本幸吉が制作

【定例記者会見で「自由の鐘」を大阪・関西万博で展示すると発表する一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は16日の定例記者会見で、御木本幸吉が制作した「自由の鐘」を、大阪・関西万博に設ける県のブースで展示すると発表した。万博で展示するのは、昭和14年のニューヨーク万博以来。「目玉」としてアピールし、県ブースに来場者を呼び込みたい考え。

県によると、自由の鐘はアメリカ独立宣言で鳴らされた鐘を模して昭和14年に制作。御木本は当時、悪化しつつあった日米関係を改善させたいという平和への思いを込めて制作したという。

1万2250個の真珠と366個のダイヤモンドをあしらい、その豪華さから「100万ドルの鐘」と呼ばれる。ミキモト真珠島(鳥羽市)が所有。真珠博物館(同市)で展示している。

昭和45年の大阪万博で人気を博した「月の石」のように「すごい物を展示しよう」(一見知事)と、県庁内で検討したことがきっかけ。ミキモト真珠島から貸与の了承を得たという。

県が関西パビリオン内に設けるブースで1カ月ほど展示する予定。合わせて県産の真珠を解説する。県は万博の期間中に「目玉」となる展示を入れ替えることで、来場者を呼び込む方針。

一見知事は会見で「時代を経て自由の鐘が再び展示されることは大きな話。厳しい世界情勢で、平和を祈る鐘の展示は適していると思う。多くの人にブースを訪れてもらいたい」と語った。

また、一見知事は大阪・関西万博の是非について「国際的なルールに基づいて開催が決まったこと。開催が1年後に迫っている。とにかく成功するよう、しっかり頑張りたい」と語った。