平和への願い込め、陽光桜で作った花曼荼羅 鳥羽で高野さん写真展

【会場を彩る花曼荼羅の写真と高野さん=鳥羽市鳥羽の「鳥羽大庄屋かどや」で】

【鳥羽】三重県鳥羽市鳥羽の地域交流施設「鳥羽大庄屋かどや」で、玉城町原の草木染作家、高野葉さんの写真展「平和の祈り~陽光桜の花曼荼羅(まんだら)」が開かれている。平和への願いを込めて開発された陽光桜で作った花曼荼羅の写真など約26点が並ぶ。22日まで。14日にはワークショップや朗読会が行われる。火曜休館。

陽光桜は愛媛県の元教員、故高岡正明さんが戦時中に教え子を戦地に送り出した悔恨の思いから、鎮魂と平和を願い約30年かけて開発。その思いを息子の照海さんが引き継ぎ、世界各国に無償で桜を贈り続けていることを知った高野さんは、平和への思いを伝えようと、照海さんが育てた陽光桜を使った作品制作に取り組んでいる。

これまでの作品展には、陽光桜で染めた作品などを展示していたが、今回は黒い紙に陽光桜の花や花びらを載せて曼荼羅を作り、スマートフォンで撮影した作品を展示。今年は愛媛県の桜の開花が遅かったため、「横山桜の会」が協力し、志摩市に咲く陽光桜を提供したという。

会場に入ると、「花びら一枚一枚に命を感じながら、つながる命への思いを込めた」という優しい色合いの花曼荼羅が来場者を迎える。写真だけでなく、陽光桜染めの作品や書作品も展示した。

高野さんは「『命をつなぐ』をテーマに、戦争で亡くなった人たちの命に思いをはせながら制作した。それぞれの命が輝くイメージを広げて見てもらえるとうれしい」と話した。