TPMにオプティが上場 三重県川越町、尿素水を製造、販売

【記者会見で「東京プロマーケット」への上場を報告する猪野社長=県庁で】

尿素水を製造、販売する「オプティ」(本社・三重県川越町高松)の猪野栄一社長(64)は11日、県庁で記者会見し、東京証券取引所の東京プロマーケット(TPM)に上場したことを報告した。

同社によると、上場は先月27日付。TPMは東証が運営するプロ投資家向けの株式市場。県内企業のTPM上場は3社目。尿素水を本業とする会社としては全国で初の上場という。

同社はディーゼル車から排出される窒素酸化物を無害化する尿素水「アドブルー」の製造や販売を手がける。全国シェアは20%。独自の技術で品質の高い尿素水を製造できることが強み。

昨年2月期決算の年商は23億9千万円。県内のほか、福島、山口、福岡の各県に製造拠点を設けている。全国にある54の代理店が、同社の設備を購入して尿素水を製造している。

猪野社長は十年ほど前から上場を本格的に検討していた。知名度や信用度を高め、取引先を増やすことが目的。情報開示の仕組みを設けたり、必要な監査を受けたりして基準を満たした。

上場当日は東証でのセレモニーに出席。木づちで鐘を鳴らし、上場を祝った。「涙もろい性格だけど、涙は全く流れなかった。喜びよりも、今後へのプレッシャーが強くて」と振り返った。

会見では、グロース市場などの一般市場に上場する意欲も示した。「そのために、もっと売り上げを伸ばし、優秀な人材を育てる」と強調。障害者施設との連携を強化する考えも示した。

「TPMは中小零細企業でも上場できる」と述べ、県内企業の上場を呼びかけた。「多くの会社が上場すれば、地域が活性化するはず。ぜひ上場に挑戦してほしい。相談に乗ります」と語った。