山頂で「ののぼりさん縁日」 家内安全、五穀豊穣願う 亀山の野登寺

【護摩焚き祈祷をする道山副住職=亀山市安坂山町の鶏足山野登寺上寺で】

【亀山】三重県亀山市安坂山町の野登寺(やとうじ)下寺の壇信徒(だんしんと)「奉賛会」(山﨑重俊代表)は7日、同町地内野登山(ののぼりやま)(標高851・4メートル)の山頂付近の「鶏足山野登寺(けいそくさんやとうじ)上寺」で、約1100年続く行事「ののぼりさん縁日」を開いた。

野登寺は延喜10年(910年)、野登山の山頂に醍醐(だいご)天皇の祈願所として建立。その後、享保2年(1717年)に当時の亀山城主板倉重治が野登山のふもとに下寺を建立。現在、山頂の寺を鶏足山野登寺上寺、ふもとの寺を下寺として、第53世の道山磨輝住職(84)が下寺に住みながら、両寺の住職を務めている。

毎年、4月7日を「ののぼりさん縁日」と決めているこの日は、上寺本堂で、地域住民らが列席し、道山住職の息子、泰宏副住職が、地域住民の家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)を願い、護摩(ごま)焚き祈祷(きとう)をした。8日は五穀祭を開く。

山﨑代表(72)は「約1100年続く行事を、絶やすことなく受け継いで、後世につなぐ」、道山住職は「今年も無事に行うことができた。奉賛会の皆さんに感謝しています」と話していた。