2024年3月27日(水)

▼児童虐待の相談件数がうなぎ登りで、死亡事件も相次ぐ。保護すべき児童相談所の機能不全が問われ、認定保育園で不適切保育が表面化した

▼経営難を理由に昨年6月、突然津市美里町の私立保育園「美里さつき保育園」が市に閉園を通告してきた。運営する社会福祉法人は他県で複数の特別老人ホームも閉鎖を伝えたが、背景には、保育園を急増させたことに伴う人手不足があるとされる

▼その中で、後を引き継ぐ民間事業者が現れたことはめでたい。大阪府貝塚市が本社の「特定非営利活動法人あいうえお」。障害福祉や訪問介護など幅広い福祉事業を展開してきたが、現在は保育事業に特化し、待機児童問題に注力しているという

▼市に新たに社会福祉法人を設立。前葉泰幸市長は「(新運営者は市が財務状況などを監査できる)社会福祉法人に移行して開設してくれた。いい保育をしていただけることを期待したい」。閉園したのも社福法人だったことを思うと、今度こそ突然の閉園で児童・保護者が戸惑うことのないように願いたい

▼今年の「県民の日」(4月18日)の事業は県教委が担当し「子どもたちが個性を輝かせ、望む未来を実現していくために」をテーマに、子どもたちのパフォーマンスなどに焦点を当てた公共施設の無料開放なども合わせて実施する

▼福祉にもはやり廃れがある。一時障害者に焦点が当たっていたが、今は子どもだ。子ども食堂などへの行政の支援が目立つが、少子化問題を見据え、県総ぐるみで子どもを安心して育てられる社会を実現してほしい。