選抜高校野球 チーム一丸で1勝 山商、再三の選手交代乗り越え

【宇治山田商―東海大福岡 八回表2死、宇治山田商7番中瀬が相手二塁手の失策を誘うゴロで出塁=甲子園で】

宇治山田商はインフルエンザ、試合中の故障などで再三選手が入れ替わるアクシデントをチーム一丸で乗り越え、東海大福岡を5―4で退けて16年ぶりの甲子園1勝を挙げた。

【宇治山田商―東海大福岡 六回裏、打球処理の際に足をつらせて、同学年の加古投手に背負われベンチに戻る宇治山田商の左翼手・郷=甲子園で】

試合前のオーダー交換後、体調不良を訴えた選手に代わって7番、右翼手で先発した2年生の中瀬は1―1で迎えた四回1死二塁でセーフティバントを決めてチャンスを広げ、東海大福岡主戦佐藤の暴投に乗じて3点目の生還を果たした。

村田監督から先発出場を告げられたのはシートノックの直前だったが「自分ができること精いっぱいやろう」と動揺はなかった。守備でもチーム無失策でこの試合に登板した3人の投手を支えて1点差で逃げ切った。

準決勝で九回サヨナラ負けした昨年秋の東海大会以降「苦しい場面でも何とか粘れるように練習してきた」と話す村田監督。「試合中もそういう話をしたし、最後までぶれずにやってくれた」と選手らをたたえた。