災害対応の連携強化 三重・岐阜両知事が合意 専修寺で懇談

【懇談後に握手を交わす一見知事(右)と古田知事=津市一身田町で】

一見勝之三重県知事と古田肇岐阜県知事は21日、三重県津市一身田町の真宗高田派本山専修寺で懇談し、能登半島地震の経験を踏まえて災害対応の連携を強化することなどで合意した。

県によると、両県知事の懇談は平成24年度から実施し、鈴木英敬知事時代の令和3年8月以来となる。当初は昨年8月に予定したが、一見知事の新型コロナ感染で延期していた。

古田知事は懇談で、両県の防災訓練に互いの職員が参加することや、被災地支援を共に検証することなどを提案。一見知事は提案に応じ、事務レベルで調整を進める考えを示した。

一見知事は懇談後の記者会見で「山が多い岐阜と海に面する三重では災害対応が異なる」とし、訓練で連携する必要性を強調。古田知事は「両県の絆や信頼を深いものにしたい」と語った。

また、一見知事は懇談会で、三重、岐阜両県をつなぐ東海環状自動車道の西回り区間の「早期完成が待たれる」と強調。令和8年度の全線開通を見据えた観光振興での連携を提案した。

古田知事は「西回り区間への期待は大きい。完成すれば、岐阜から四日市港を使う機会も増えると思う。観光でも選択肢が広がる。観光の新しいメニューを用意したい」などと快諾した。

「多様な性」に関する取り組みで連携することでも合意。両県が独自に設けているパートナーシップ宣誓制度の利便性を高める方法を巡って意見交換するほか、他の自治体との連携も図る。

このほか、両知事は懇談会に先立って同寺の御影堂と如来堂を視察。昨年5月にオープンした同寺の宝物館「燈炬殿」も訪れた。古田知事は「素晴らしい歴史的な施設」と評価した。