伊勢工高生、建築案で表彰 空き家と蔵を住居兼宿にリノベ 三重

【賞状や作品を手に笑顔を見せる(右から)西村さんと佐々木さん=伊勢市の伊勢工業高校で】

【伊勢】高校生が建築設計のアイデアを競う「建築甲子園」(日本建築士会連合会など主催)で、三重県伊勢市の県立伊勢工業高校建築科チームの作品が、4位にあたる「教育・事業本委員長特別賞」を受賞した。

「地域のくらし―まちに住む・地域に開く住まい」をテーマに、新築やリノベーションの設計を提案する課題。全国の75校から131作品の応募があり、建築概要や図面などをまとめた作品パネルと、動画によるプレゼンテーションで審査された。

受賞したのは、3年生西村桜さん(18)と1年生の佐々木夢羽さん(16)のチーム。江戸時代、水運をいかした問屋街として栄え、船で伊勢神宮を目指す「船参宮」の玄関口としてにぎわった伊勢河崎地区の川沿いにある空き家と蔵をリノベーションし、住居を兼ねた宿に活用するアイデアを作品にした。

建物の地下を川とつないで船着き場を設け、かつての船参宮を再現。また、河崎地区は茶道文化が盛んだったことから、宿に茶室をつくり、地域と交流しながら茶道や茶菓子づくりが楽しめるスペースを設けた。通気性の良い蔵を宿泊スペースにし、外観は、山形の屋根が特徴的な伊勢の建築「切妻妻入」形式を採用するなど、地域の暮らしや環境に目を向けよく調べ上げたことや、図面の表現力が評価された。

先月末、津市の県総合博物館で表彰式が開かれた。西村さんは「優勝を目指していたので少し悔しい。進学してもっと建築を学び、新しい挑戦をしていきたい」、佐々木さんは「今回の経験を、これからの活動にいかしたい」と話していた。