頭之水飲み厄除け 大紀町の頭之宮四方神社で水取神事 三重

【水取神事で参拝者に頭之水を振り注ぐ村田宮司(右)=大紀町大内山の頭之宮四方神社で】

【度会郡】「あたまの神様」として親しまれている三重県大紀町大内山の「頭之宮四方(こうべのみやよもう)神社」で4日、同神社に伝わる伝統神事「水取神事」があった。参拝者らが境内に湧き出る頭之水を飲んで厄災を除き、家内安全や学力向上などを願った。

同神事は如月(きさらぎ)神事とも呼ばれ、毎年2月の第1日曜日に営まれる。節分のころの頭之水は「生きる力を生み出す水」とされ、「一升」を「人生の一生」に例えて空の一升瓶に頭之水をくみ、9日間にわたって飲み干すと厄や苦を洗い流し、心身が清められて心願成就されると伝わっている。

村田正和宮司らが祝詞奏上などを行い、杉葉に含ませた頭之水を参拝者らに向けて振り注いだ。神事が終わると参拝者らは頭之水を一升瓶やペットボトルに入れて持ち帰った。

伊勢市から訪れた60代の女性は「水取神事には初めて来ました。家族の健康と孫たちの学力向上を願って頭之水を飲みます」と話していた。