「地域に貢献、重要視される銀行を」 次期三十三銀頭取の道廣氏が会見

【頭取交代を発表した渡辺頭取(左)と道廣次期頭取=四日市市西新地で】

三十三フィナンシャルグループ(FG)の渡辺三憲社長(69)=三十三銀行頭取=と、4月1日付で新社長・同行新頭取に就任予定の道廣剛太郎副社長(64)=同行副頭取=は31日、四日市市内のホテルで記者会見し今後の抱負などを語った。

道廣氏は「昨年12月に交代の打診を受けた。経営統合から6年、銀行合併から3年という若い組織を率いて、新しい歴史を作っていけるのは喜び」とした上で「旧第三銀行、旧三重銀行とも当地で100年以上、さまざまな貢献をしてきた。重責だが、地域社会に広く貢献し、全てのステークホルダーに最も重要視される銀行を目指して頑張っていく」と決意表明。

カナダ三井住友銀行社長も務めた道廣氏は「『フェア』『パフォーマンス』という言葉を大切にしており、公明な仕事、人事、働き方が大事。意思を持って何かをしていることが結果も含めてパフォーマンスであり、常にその人にとってベストなパフォーマンスをしていただけるようにしていく」と語った。

平成27年の三重銀行頭取就任から現在まで約9年間、合併後も頭取を務めてきた渡辺氏は、交代理由について「合併から約3年が経過したが、従業員の融合も進み、業績数値も安定してきた。一定の役割は果たせたと考え、4月から次の中期経営計画が始まるタイミングで、次の成長に向けて新体制で臨むこととした」と説明。

自身の次の役割については「取締役会の議長としてガバナンスの統括と業務の監査機能を果たしていく。第三銀行出身の山川憲一副会長には数多くみえる松阪のお客さまとの関係深化を、代表権を持ってやってもらう」と語った。

さらに「就任初年度からマイナス金利となり、収益がきつい状況で合併の決断をした。統合から合併まで成し遂げ、バトンタッチできるのが印象深い」とし「岩間弘会長と当初から腹を割った話し合いができ、従業員の県出身者の割合が高く、同じ県民という共通項があったことが合併を乗り越えられた要因」と振り返った。

道廣氏に対しては「温和だが仕事には厳しい。銀行での40年を現場で、海外も経験しており、あらゆる業種のお客さまの情報が取れる点に期待している」と強調した。