山商・村田監督、会心の笑顔 「自主性」指導で初の甲子園へ

【センバツ出場が決まり、野球部の村田監督を胴上げする宇治山田商業高校の選手ら=伊勢市黒瀬町の同校で】

東海地区代表として3月開幕のセンバツに出場する宇治山田商の村田治樹監督。選手の自主性を養いながら結果に結びつける指導力は高く評価されてきたが、甲子園には一歩届かなかった。母校の津西を率いた平成23年夏、同28年から率いている宇治山田商でも昨年夏、県大会の決勝に駒を進めたがいずれも準優勝だった。

平成8年夏に四日市西を率いてベスト4に進出したが、その後、野球部のない高校に異動となり「奈落の底」に落ちた時期もあった。普段何にも言わない父親から「今までお前はできすぎや」と言われて「しっかり勉強しようと思いました」。津西に異動するまでの3年間、県内外の高校野球指導者の下勉強した経験も生かされている。

「何遍も同じことを繰り返した」経験から「(監督の)勝ちたい欲が強いとうまくいかない。選手の力をどう出させるかというところに集中するとうまくいく」との境地に達した。「監督の方針を良く理解してくれる」選手たちとともに、53歳の春、初めて甲子園の土を踏むことが決まり「今までの苦労が全部吹っ飛びました」。会心の笑顔を見せた。