薬学部生ら地域課題学ぶ 東海地区4大学、尾鷲などで実習・交流 三重

【「こもれびカフェ」の利用者と交流する学生ら=尾鷲市栄町の市福祉保健センターで】

【尾鷲】鈴鹿医療科学大と名古屋市立大など4大学の薬学部生ら5人が25日、三重県尾鷲市栄町の同市福祉保健センターを訪れ、利用者らと交流した。

両大学と岐阜薬科大、静岡県立大が共同で実施する「東海地区連携で行う薬剤師不足地域でのアドバンスト実習とそれを活用した薬学生・薬剤師PBL(課題解決型学習)プログラム」の一環。

同プログラムは、少子高齢化などによる医療環境の変化を受け、へき地医療や在宅医療といった地域の医療ニーズに対応する薬剤師の養成が目的。昨年6月に文部科学省の「地域医療ニーズに対応した先進的な薬学教育に係る取り組み支援事業」に採択された。

学生ら5人は今月22―26日までの5日間、尾鷲市と紀北町内で、薬局での業務体験や医療・介護施設の見学、医師との面談や行政へのインタビューなどを実施。多方面から医療状況を観察・学習した。それらを用いた映像コンテンツを今後制作し、各大学で後輩への学習教材として活用する。

25日には尾鷲市福祉保健センターで、認知症施策の一環として定期開催されている「こもれびカフェ」のイベントに参加。学生らはカフェを利用する地元の人らと食生活や日々の体調管理などについて話したほか、いろいろな薬の飲み方や貼り薬の使い方などをクイズ形式で解説し、交流した。

解説にあたった名古屋市立大薬学科5年生の黒岩淳志さんは「関心の強い分野で、利用者の方々にも興味を持ってもらえたと思う。実際に地域を訪れて感じた課題や学びを今後生かしていければ」と感想を話した。

実習に同行した鈴鹿医療科学大学薬学部の八重徹司教授は「実習、映像コンテンツでの学びを通して、学生らが長期的なスパンで地域の特性や魅力について考えるようになってほしい」と期待した。