<はばたけ村田世代・県内大学球児の進路⑤>飯田幸大(四日市大)広島の伯和ビクトリーズで全国目指す

【飯田幸大】

三重県の四日市大硬式野球部の飯田幸大投手は卒業後、広島県東広島市が拠点の伯和ビクトリーズ硬式野球部に進む。最速144キロの質の良いストレートと制球力を武器に、四日市大の投手陣をけん引し続けた4年生右腕は、都市対抗野球10回、日本選手権8回の出場を誇るチームの戦力として全国大会のマウンドに立つことを社会人最初の目標に定めて「気持ちで負けるとやっていけない世界。やってきたことを信じて全部をぶつけたい」と話す。

大学では、おもに先発で活躍した。山形・酒田南高時代から持ち味は直球とカットボール。大学入学後「ストレートの質の向上」にこだわり、地道な投げ込みに加えて投球フォーム変更にも取り組んだ。

理想は「ストレートしかないって分かっている中でも打者を打ち取れたり、空振りを取れる投手」。3年目のシーズン目前の春の関東遠征で全国大会の出場経験を持つ白鴎大に完投勝ちするなど実力の片鱗をみせた。

最終学年は抑えも務めたが、大学4年間で一度も三重県リーグ優勝は果たせず、皇學館大の連覇を許した。それでも「結果が出せない時も固定して試合で使ってもらった」。学校のサブグラウンドに造ったマウンドの上で、チームメート、コーチとともに練習したフィールディングの技術にも自信を持つ。

県内ライバル校の選手の中では「一番多く対戦した」皇學館大の4年生主砲村田怜音内野手を特に意識してきた。村田から空振りを奪った3年秋のリーグ戦で自己最速の144キロをマークした。

村田が埼玉西武ライオンズから6位指名された昨年秋のプロ野球ドラフト会議は「知っている選手が指名されてうれしい気持ちもあったが、言葉に言い表せない悔しさも感じた」。大学3年目から「上でも野球を続けたい」と考えるようになった。「社会人野球で飯田と言えばこれ、という武器を身につけ、3年後のプロ入りを目指したい」と話し、ライバルの背中も見つめている。