2024年1月19日(金)

▼「電子採決」の導入に続き、県議会で「警備ロボット」の検討が始まった。2月1日まで実証的に活用し、採用の可否を検討するという。前者は都道府県議会で二例目だったが、後者は初になるらしい。改革で先進議会のトップといわれた県議会だが、電子議会としても最先端を目指すということか

▼ロボットの技術革新はめざましい。初めて実用化ロボットを見たのは十数年前のスーツ形式の介護・介助ロボットで、微細な脳波を受信し、思った通りに動かせる。ほんのわずかな動きが何倍もの力となって表れ、人や物を軽々と運べるほか、麻痺した体でも、このスーツを着れば行動の大きな助けとなり、リハビリにもなる

▼脳波を活用した障害者支援ツールはその後さまざまな領域に広がったが、開発者がその時、軍事転用は絶対拒否しなければならないと語っていた。もっともと共感したが、最近は現実的恐れが懸念される。ロボットの業務用活用で感心したのは掃除用ロボットだ。障害物を自動的に避けながら清掃していく。「警備ロボット」も似たような技術か

▼日中はカメラなどを使って周辺を監視し、夜間は不審者、不審物の有無を見回る。実証の橋渡しをした警備会社の担当者は「警備には人の力が欠かせないが、ロボットはマンパワーを補ってくれる」。人間とロボットのインターフェースが大事ということだろう

▼県はいち早くAⅠ(人工知能)を導入したが、その成否もそこにかかっていたに違いない。十分な実証を尽くし、期待通りの効果を実現することを願いたい。