料理人と生産者、販路拡大へ 交流ミーティング「いい食材に出会えた」

【県産食材の料理を仕上げる井上氏(中央)=津市内で】

【津】日本政策金融公庫津支店は10、11日の両日、津市などで「シェフズミーティングin三重」を開いた。都内有名レストランの2人のシェフが県産食材を生産者の前で調理し交流した。

料理人と生産者で交流し首都圏などへの販路拡大につなげようと初めて開催。中華料理「スーツァンレストラン陳」料理長の井上和豊氏(42)とインド料理「ニルヴァーナニューヨーク」シェフの引地翔悟氏(32)を招き、県内の伊賀牛▽オーガニックシイタケ▽浦村牡蠣(がき)▽熟成熊野鯛(たい)▽柑橘(かんきつ)―の生産者5社と東海農政局、県など計約20人が参加した。

【生産者に料理の説明をする引地氏(右端)=津市内で】

両氏が5社の食材や事前に入手した県産品を使った料理を生産者の前で仕上げ、試食しながら交流。井上氏はタイと伊勢茶の茶葉を組み合わせた料理など3品、引地氏は伊賀牛のキーマカレーなど6品を並べた。

井上氏は「タイは臭みがなくすごくいい。いい食材に出会えた」、引地氏は「伊賀牛は脂のうまみがおいしい。生産者の話を聞くと一皿の価値が上がる」などと話した。

生産者からは餌へのこだわりや有機認証取得のための苦労が語られた。伊賀牛を育てる中林牧場の中林正悦代表(76)は「シェフと話して方向が間違っていないと確信が持てた。いい機会になった」と感想を述べた。

11日は同牧場と鈴鹿市の鈴鹿山麓夢工房で安全への取り組みなどを見学した。