カレー弁当で55人食中毒 東員町のインド料理店、三重県が営業禁止

三重県は8日、東員町長深築田のインド料理店「スパイス王国」が提供したカレー弁当を食べた55人が下痢や腹痛などを訴えたと発表した。県は同店が調理した弁当が原因の食中毒と断定。同日付で同店を営業禁止処分とした。

県によると、症状を訴えたのは、三重、愛知、岐阜の各県に居住する18歳から55歳までの男女。1日に同店の弁当を食べた。入院した人はおらず、全員が快方に向かっている。

同店が入る商業施設が3日、桑名保健所に「従業員向けに調理された弁当を食べた複数人に食中毒のような症状がある」と連絡した。症状を訴えた人らの便からウエルシュ菌が検出された。

同店は1日午前3時ごろから弁当を調理していた。3日から営業を自粛している。県は調理から提供までの間に菌が増殖したとみている。調理方法が改善されれば営業の再開を認める方針。

ウエルシュ菌は、肉類や魚介類を使ったカレーやシチューなどの煮込み料理を大きな鍋で調理する際に発生しやすい。熱に強く、100度で1時間以上加熱しても死滅しにくいという。

県は、調理の際に良くかき混ぜる▽調理後は室温で放置せず、早めに食べる▽保存する場合はすぐに冷まして冷蔵する▽保存後の食品は十分に再加熱する―などの対策を呼びかけている。