被災地「県庁全体で支援」 三重県知事年頭あいさつ、職員に「吏道」意識呼びかけ

【一見知事(手前)のあいさつを聞く県職員ら=県庁で】

一見勝之三重県知事は5日、県庁講堂で年頭のあいさつに臨んだ。能登半島地震の被災地を「県庁全体で支援したい」と強調。職務では、官吏として守るべき道徳「吏道」を意識するよう呼びかけた。

一見知事は被災地支援などで年始も職務に当たった職員らに「心から感謝する」としたほか、岸田文雄首相の伊勢神宮参拝延期に触れて「常在戦場を意識させられた年始だった」と語った。

被災地への物的支援で「県の備蓄庫は空になった。決めたのは私ではなく、追認した」と説明。「被災者への支援が大事。職員の決定を聞き、うれしい気持ちになった」と語った。

県政については「課題が山積している」とした上で「子ども施策や災害対策で県民の命を守り、県民の存在を未来につなぐ子どもたちを守る施策を特に進めたい」と述べた。

その上で「判断の軸は県民。迷ったら県民のためになるかどうかを考えてほしい」と要請。「何もしないで待つのはやめてほしい。そのときにできる最善のことをして」と呼びかけた。

昨年10月から開いている課長級職員らとの「ランチミーティング」については「これからも続けていきたい。(ミーティングでは)忌憚(きたん)のない意見を聞かせてほしい」と語った。

また、昨年10月に実施したアンケートで、職員から「知事レクの時間が確保できない」との意見があったと説明。「私の責任。前さばきを徹底するなどの対応を考えている」などと語った。

県によると、昨年は年頭あいさつの出席者を次長級以上の約80人に限ったが、今年は新型コロナの5類移行を受けて課長級以上の約250人を招集。他の職員はオンライン中継で視聴した。