2023年12月30日(土)

▼「裏金」「キックバック」「中抜き」(=いわゆる政治とカネの問題)で激震中の自民党政治だが、今回も何も変わらず終わるという見方が根強い。国民の半分しか選挙に行かない。これが変わらなければ結果は同じだからだ

▼「政治にはカネがかかる」というのも同じ文脈。選挙に行く国民の半分、すなわち国民の四分の一をカネと組織で確保すれば選挙に勝てる。ならば、せっせと資金作りに励むのも無理はない。自民党はこの選挙の在り方に“過剰適応”したに過ぎない。国民自身が政治にカネがかかるようにしたのだ

▼政治資金の透明性の確保が叫ばれている。しかし、それ以前に国民の半数が選挙に行かない現実を変えなければならないだろう。変わらなければいけないのは、政治家ではなく、私たち国民の方だ

▼「知らんけど」「知らんがな」という言葉がはやっている。会話の最後にこう付け加えることで、全てを曖昧にして、あまり関心がないことをさりげなく表している。「裏金作り? 知らんけど」「選挙行くの? 知らんけど」で果たしていいのか? その結果は、いつか自分自身に帰ってくるに違いない。