2023年12月12日(火)

▼平畑武県議が県議会予算決算常任委員会で、先月の茶振興のイベントでスイーツをふるまってくれた女子高校生について「すごくきれいな2人で完璧に100点」などと発言し、続く小島智子県議から「ルッキズム(外見至上主義)という言葉がある。子どもたちはとらわれ、追い込むこともある」と訂正を申し入れ、平畑県議は「誤解を招く発言」と陳謝した

▼26・4%に減ったという調査があった。先の柔道グランドスラム東京で、90キロ級金メダルの村尾三四郎選手がしきりに頭髪を気にするそぶりをみせたのには時代を感じた。外見を気にする世代が増えているのは確かか。女性の容姿などを無遠慮に表現したことをきっかけに8年余に及ぶすざましい離婚騒動を起こしたのは、NHKの朝ドラや大河ドラマの脚本家ジェームス三木、山下典子夫妻(当時)だ

▼ジェームス三木さんが関係した女性の評価をノートに書き留め、それを発見した典子さんが、自身も登場する記述に怒り『仮面夫婦』の題名で暴露本を出版した。収入が激減したジェームス三木さんが名誉毀損(きそん)で訴えた。おしどり夫婦で名高かった夫婦が一変したといわれる

▼「タデ食う虫も好き好き」は、辛くて苦いタデでも好んで食べる虫がいるように、人の好みはさまざまの意のことわざ。個人の好みにとやかく言うのはお互い、余計やお世話という趣旨でもあるが、犬のしつけにたとえて教師を指導する校長がいると思うと、イベント会場の女子高生を点数づけして議場で話す県議がいる

▼おかしな世の中と言うべきか、油断ならぬ時代と言うべきか。