補正予算「減額」が「追加」に 3議案で誤記 三重県、議会に訂正要請へ

三重県が議会に提出した一般会計補正予算などの3議案について、記述に誤りがあることが5日、関係者への取材で分かった。一般会計補正予算は「減額」とすべきところを誤って「追加」と記載していた。県は議会に訂正を要請する方針。公文書紛失などのミスが相次ぐさなかで、批判は避けられそうにない。

関係者によると、記述を誤ったのは先月22日の本会議に提出した一般会計補正予算。新型コロナの5類移行によって対策を縮小したため、当初予算から約91億2200万円を減額するはずだった。

一方、県が議会に提出した一般会計補正予算の記述では、この減額について誤って「追加する」と記載していた。議案に含まれる表も、減額する金額の冒頭に「△」の記号を付けていなかった。

同じく提出中の国民健康保険事業特別会計補正予算でも、一般会計からの繰入金を表に記入していなかった。子ども心身発達医療センター事業の特別会計補正予算でも、補正後の総額を6千万円少なく記載した。

いずれも財政課による議案への記入ミスが原因とみられる。提出後に一般会計補正予算の誤りが発覚。他の議案についても誤りがないかを調べたところ、特別会計の2議案でも誤りが判明したという。

議案の取り下げや再提出の必要はなく、議会の規則に基づく議案の「訂正」で対応するとみられる。県当局は6日の議会運営委員会で議案の誤りを報告し、同日の本会議で訂正が審議される見通し。

一方、県は事務処理ミスが発覚した場合などとは異なり、今のところ今回の事案を公表していない。財政課は取材に「議案の訂正はあるが、議会に報告するまでは何も答えられない」としている。

県では個人情報の漏えいや公文書の紛失といった不適切な事務処理が本年度に入ってから多発。一見勝之知事は10月5日に臨時庁議を開き、再発防止を徹底するよう県幹部らに指示していた。