技術提案酷似、入札取りやめ 三重県が松阪の2社を指名停止

談合の疑いが払拭できないとして、三重県は1日、松阪市内で予定していた公共工事の入札を取りやめた。入札に参加した2社の技術提案が酷似していたことが理由。県は2社の入札参加資格を停止した。

県によると、入札を取りやめたのは同市飯高町の治山ダムと水路を老朽化に伴って修繕する工事で、予定価格は約4085万円。総合評価方式の一般競争入札で10月24日に開札する予定だった。

入札には県内の5社が参加した。うち2社が県に提出した技術提案書の書きぶりが酷似していることが開札の数日前に発覚。県は開札を保留し、入札参加者への聞き取りなどで談合の有無を調べていた。

この入札に参加した5社は県の聞き取りに対し、談合などの不正を否定した。酷似した技術提案書を提出した2社も、県の聞き取りに「(酷似の理由は)分からない」などと説明しているという。

一方、県は酷似した提案書が「適正に作成されたと認められない」と判断。入札を取りやめ、提案書が酷似していた秋山組(松阪市飯高町)と中井組(同町)を2日から1カ月間の指名停止とした。

県は近く、県警と公正取引委員会に事実関係を伝える方針。「2社の提案書が酷似した原因は分からないが、酷似の度合いが著しいことから、元となった書類があると推察される」としている。