多彩な表装作品 四日市でクラフト研究会展示 三重

【多彩な表装作品が並ぶ会場=四日市市安島の市文化会館で】

【四日市】三重県四日市市桜台のクラフト表装研究会四日市支部の井上茂子講師(80)は29日、同市安島の市文化会館で第11回「趣味の表装展~新春を迎える表装手芸の世界」を開いた。講師と教え子24人による掛け軸や額装、ついたて作品など約80点を展示している。12月1日まで。

クラフト表装は昭和50年代に開発された表装技法。伝統的な表装にとらわれず、着物や古布、洋服地、ハンカチ、手拭いなど身近な素材を使い、のりを使わずに簡単にできる表装手芸。

留め袖の裾に描かれた四季の花々をあしらった二曲びょうぶ、来年の干支(えと)辰(たつ)の図柄の日本手拭いや絞りの浴衣地、銀箔(ぎんぱく)入りの和紙で仕上げた掛け軸、産着の背柄の迫力ある2羽のタカを中心にしたついたて、押し絵で縁起の良いツル、カメを表現した額装など、多彩な作品が来館者らの目を楽しませている。

井上講師は「たんすに眠る着物や古布などに新しい命を吹き込む喜びを感じながら、新たに抽象表装にも挑戦しています」と話していた。