CO2排出量を「見える化」 桑名市とエスプール、脱炭素推進へ協定 三重

【協定書を手にする伊藤市長(右)と鬼木執行役員=桑名市役所で】

【桑名】ゼロカーボンシティの実現に向け、三重県桑名市は21日、販売支援・人材派遣などを行う「エスプール」(東京都)と包括連携協定を結んだ。それぞれの資源や機能を活用しながら、脱炭素社会の分野で相互協力する。

連携事項は、①ゼロカーボンシティ推進に向けた支援②区域内二酸化炭素排出量の積上法での算定③市民と事業者への周知・啓発④桑名市の豊富な資源の活用調査―など。

同社が運用する自治体二酸化炭素(CO2)積み上げ算定ツール「みんなの算定」を活用した実証実験を年度内に実施し、市内の各家庭や事業者、公共施設などのCO2排出量を積み上げ算定方式で「見える化」するほか、実験で得られたデータを市の施策に活用していく。同ツールを活用したCO2排出量「見える化」の取り組みは東海地区の自治体では初めて。

市役所で開かれた協定締結式で、同社の鬼木陽一執行役員は「11の地域と協定を結んできたが、東海エリアでは初めて。企業向けコンサルティングもしてきた知見を生かしながら、企業や住民にとってメリットのある取り組みとして反映できるようにしていく」と語った。

伊藤徳宇市長は「さまざまな取り組みを行っているが、一つの自治体だけではうまく進まないと実感している。桑名を一つのフィールドとして、企業と協力しながら脱炭素を進めていくのが一番良い方法」と強調。

その上で「まずはCO2がどれだけ出ているのかを算定するところから始める提案をいただいた。排出量と吸収量を算定できるので、林業や漁業などとも連携しながら、脱炭素の見える化に向けて取り組む」と述べた。